私らしさ、これから

偉そうなベテラン社員の心の中は?

偉そうなベテラン社員の心の中は?

 

会社組織では、部署間を横断したチームワークが大切。

よって、他部署の同僚に協力を仰ぐ場面では、両者間のコミュニケーションが非常に重要です。

特にその相手が、偉そうな態度のベテラン職員の場合。細心の注意を払わないと、

関係性が拗れ、仕事が停滞してしまうケースも少なくのです。

例えば、こんなやりとりをご覧ください。

 

 

営業部の若手社員が、交渉相手に自社サービスの金額を提示するため、

経理部ベテラン社員の木村さん(仮称)に見積作成をお願いする場面。

どうやら、商談成立のためには、至急見積を提示する必要があるようです。

 

若手「木村さん、A社に見積を提示したいのです。

A社から出されたいくつかの要望を踏まえて、見積の作成をお願いできますか?」

ベテラン「いいよ~。いつまでに?」

若手「明後日までにお願いしたいのですが。」

ベテラン「は?そんなの無理だよ。普通1週間はかかるんだ。」

若手「先方さんも至急社内会議にかけたいので、3日後に概算知りたいそうなのです。

それがうまくいけば、うちに案件をお願いしたいと言ってくれているので。」

ベテラン「俺には、他にも仕事が詰まってる。

しかも、A社の要望、かなり面倒な内容じゃないか。

特別扱いはできないと、相手にもそう話してくれ。」

若手「会社としてもチャンスなんです!

木村さんも、うちの社員のお一人ですよね?

会社の売り上げのために、役割を果たしていただきたいのですが…。」

ベテラン「できないものは、できない!これ以上言わせるな!」

 

ベテラン社員は、完全にへそを曲げてしまいました。

これ以上いくら説得しても、もう折れてはくれないでしょう。

若手社員としては、売上を出し、会社に貢献したい。

だからこそ、何とかしてベテラン社員の協力をもらい、商談を成立させたいのですが…。

 

それでは一体、若手社員は、どのように彼にお願いすれば良かったのでしょうか?

 

さて、あなたはこれを見て、どう思いますか?

 


 

 

心財育成トレーナー 安達美由紀さんの見解

 

 

ベテラン社員が“偉そうな”状態にあるのであれば、

“偉そう”にしなければならない理由があります。

偉そうにしていないと自分を保てないということがわかります。

 

これは【共依存】の状態です。

 

共依存とは、『救済者』『被害者』『加害者』の三者から構成されます。

 

この会話を見ているとベテラン社員がどの役割をその都度しているのかがわかります。

 

若手社員が「見積の作成をお願いできますか?」言ったとき、

ベテラン社員は「いいよ~。いつまでに?」と答えています。

この時ベテラン社員は『救済者』にいます。

若手社員を救済できる、つまり「私がいないと君は困るでしょ?」という状態です。

 

次に若手社員が「明後日までにお願いしたいのですが」と言った段階で

ベテラン社員からすると加害された状態に変わります。

自分に決定権がない、なおかつ自分の仕事の能力を超えて要望に対して

答えられない可能性があるという『被害者』になります。

 

そしてその状態にいると弱い立場にいることになるので

自分の身を守るため加害し始めます。

「は?そんなの無理だよ。普通1週間はかかるんだ。」という形で。

 

 

そうなると若手社員は、自分を守らないといけなくなるので、

下記の内容によりベテラン社員を加害する役割にまわります。

  1. 会社のチャンスを活かせなくなること
  2. 社員の一人ですよね?と責任を求めていること
  3. 会社の売り上げのために、役割を果たしていないことになること

 

ベテラン社員としてはさらに加害される状態になり、

自分の身を守るために「できないものは、できない!これ以上言わせるな!」

と『加害者』側になって、若手社員『被害者』に置き、自分の立場を守るとなるわけです。

 

ではどうすればよいのでしょうか?

 

それは【共存】状態になることです。

共存とは“自分と相手を尊重し、互いに自分の役割を果たせるという前提”で関わることです。

 

そのためには相手がどのくらいの能力があるのかを日頃から見極め、

観察ができる能力が必要です。

自分が関わるキーマンとなる人なのですから

日頃から興味を持って情報を集めておくことは重要なことです。

そして相手にその作業をこなせる能力があるとわかっていれば、

できないと言われても「〇〇さんならできますよね」と尊重して言えます。

 

さらにどうしてできないのか?というできない理由ではなく、

どうしたらできるか?というできる理由を伝えることができるようになります。

 

ミスコミュニケーションは、『観察力』を鋭敏にすることで、

スムーズなコミュニケーションへと変化させることができるのです。

 


 

 

EAPコンサルタント 小野勝弘さんの見解

会社におけるベテラン社員と若手社員とのミスコミュニケーションはよくあるケースだと思います。

今回はEAPコンサルタントという立場から考えてみます。

そもそも、EAPって何??って疑問がでてきますね。

EAPとは、Employee Assistance Programといい、

従業員のパフォーマンスを下げる要因(ストレス、精神疾患、ハラスメント問題、トラブルなど)への関わりと共に、

従業員のパフォーマンスを高める要因

(キャリアデザイン、ワークライフバランス、コミュニケーションスキル、マネジメントスキル)

への取り組みも行うプログラムです。

様々な問題に対して、社員と組織の両者のパフォーマンスの改善・向上を最終目標として対応するのが、

EAPの最大の特徴になります。

そのEAP領域のコミュニケーションスキルにある、『アサーション』という考え方があり、

これまで企業内研修で多く取り入れられている一つになります。

 

アサーションとは、適切に自己を主張するためのコミュニケーションスキルになります。

 

このアサーションの考えに基づいたコミュニケーションを以下3つのタイプに分けています。

  1. アサーティブ:相手の主張を尊敬しつつ、自身の主張を発すること
  2. ノンアサーティブ:常に自分よりも相手を優先し、自分のことを後回しにしがちなこと
  3. アグレッシブ:自分を中心に考え、自身の考えを主張すること

 

今回の例を当てはめると、若手社員もベテラン社員もアサーティブでもなく、

ノンアサーティブでもなく、アグレッシブな対応になっているでしょう。

 

両者は互いに相手の主張を尊敬していなくて、自身の考えを主張しているようです。

また、両者がノンアサーティブだったらどうでしょう?

本来の自身の主張ができなくて、相手を優先してしまいます。

一見、相手に配慮しているようにも感じますが、

実際には自分を大切にしておらず、自分の気持ちに正直になっていません。

その結果、あきらめの気持ちや相手への分かってもらえなかったという感情などが残ってしまいます。

 

大切なことは、人は状況や相手によってアグレッシブ的であったり、

ノンアサーティブ的であったりすることを知っておきましょう。

これまでの様々な環境での人間関係の中から、行動パターンが習慣化されているのでしょう。

理想的には、両者がアサーティブな考え方や自己表現方法を身に付けていると

良いコミュニケーションが生まれハッピーになるでしょう。

 

アサーティブな対応として、仮に若手社員が現在の状況を客観的に、

具体的に、特定の事柄をベテラン社員に表現したらどうでしょう?

そして、若手社員が自分で感じていることや、

他者や会社が感じていること、望んでいることを伝えたらどうでしょう?

ベテラン社員や若手社員の言動の変化を踏まえて、

ベテラン社員に望む内容や妥協案、解決策を提案内容として伝えたらどうなるでしょう?

そして、若手社員は提案した内容が実際に動いた結果を想像し、表現したらどうなるでしょう?

 

アサーティブな対応をすれば、思い通りの結果になるとは思いませんが、

両者のミスコミュニケーションによるストレスも少なくなり、

課題解決に一歩前進するかもしれません。


by アラカラー編集長
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